博多伝統工芸士さんによる博多張子の製作実演

福岡「博多町屋ふるさと館」で、古き良き時代の「博多」の暮らしや文化に触れる

福岡市の中心部、博多区に位置する「博多町屋ふるさと館」では、明治・大正期を中心にした博多の暮らしや文化、また、博多の歴史、祭り、伝統などが広く紹介されています。
明治中期の博多織の織元が工房、兼、住居として用いていた建物が、櫛田神社の前に移築、復元され、その中の「町家棟」は、福岡市の指定文化財に登録されています。間口の狭さに比べ、中の間の大きく高い吹き抜けや、太い大黒柱や彫りもので飾られた渡り廊下が生む空間は印象的です。

その建物自体の魅力だけでなく、館内では、職人さんによる博多織の実演もあり、また、職人さんの指導のもと、手織りの体験もすることが出来ます。
博多織は、鎌倉時代に誕生したといわれ、江戸時代に幕府に献じられて「献上柄」の名が付いた独特の織柄と、締めやすい絹の質感で親しまれています。
機械織の導入以後、博多織の手織り職人はごくわずかになり、その貴重な博多織の職人さんに直接会うことができ、また手織りの体験ができるという大変貴重な機会です。館内では博多織の展示もされています。
また、普段なかなか会うことのできない博多伝統工芸士さんによる製作実演や体験指導などもあります。博多伝統工芸の体験は、絵付け体験(博多人形、博多張子、博多独楽)や制作体験(博多曲物)など。

明治中期に建てられたこの町家にちなみ、展示棟では、明治・大正・昭和の博多の人々の暮らしの歴史が紹介されています。建物や街の景観は、大きく変貌した博多ですが、開放的で型にはまらない博多っ子気質は、多くの祭りや伝統とともに現代にも受け継がれ、少し前の博多の文化に触れることは、福岡市民のルーツを知る機会にもなるかもしれません。

「みやげ処」では、博多の伝統工芸品や地元の銘菓、山笠グッズや書籍など博多の様々なお土産品が販売されています。
博多町屋ふるさと館は、博多の総鎮守、櫛田神社のすぐそばにあり、櫛田神社と併せての観光もおすすめです。
また、このエリアは、近くに多くの商業施設もあり、多くの観光客が訪れる博多の観光エリアでもあります。
少し足を延ばせば、博多屋台も楽しめます。

博多町家ふるさと館
所在地:〒812-0039 福岡県福岡市博多区冷泉町6-10
電話番号:092-281-7761
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)※7月・8月は、午前9時から開館。みやげ処は午前10時から。
休館日:第4月曜日(祝休日の時は翌平日)※みやげ処は営業12月29日~12月31日
https://www.hakatamachiya.com/

表紙写真提供:福岡市