必見は、「借景」でデザインされている美しい庭園と、かつて大名が暮らしたお屋敷です。
借景とは、敷地の外にある、山、林、竹林、海、川、滝などの自然を庭の要素として取り込み、作庭する技法のことを言います。ですので、仙巌園の敷地内には他の大名庭園と異なり、大きな池や築山はありませんが、その代わりに錦江湾を池に見立て、雄大な桜島を築山に見立てたスケールの大きな庭園となっています。
書類の決裁を行ったり、昼食をとったりなど大名が1日の大半を過ごした部屋「御居間」は、庭全体を最も美しく見られる場所です。邸内の美しい装飾だけでなく、ぜひそこから、かつて大名が部屋から眺めた美しい景色もお楽しみください。
また、江戸時代の正門であった「錫門」(すずもん)も見どころのうちのひとつです。高い身分の象徴であるこの朱塗りの門を通ることができたのは、大名とその世継ぎだけでした。ぜひ大名気分で門をくぐってみましょう。
仙巌園では、武士気分が味わえる特別なメニューもあります。本格的な甲冑を身にまとい、身も心も武士に大変身!する「甲冑着装体験」です。
その他、殿様や姫君の装いなど、ここでしか着られない珍しい本格的な着物もあります。色とりどりの着物を身にまとい、殿様や姫君になったように庭園で優雅なひとときを過ごしてみるのはいかがでしょう?
桜島を望む歴史ある日本庭園で、カメラマンによる撮影も可能です。
仙巌園ならではの「薩摩切子カット体験」、「薩摩焼絵付け体験」、「弓矢体験」などのさまざまな文化体験メニューもあります。「薩摩切子」は、幕末の名君によって生み出されたガラス工芸品で、職人の指導のもと体験できます。
また、見学可能な薩摩切子工場が隣接しており、立ち寄りスポットとしてもおすすめです。
その広い園内には、四季折々の花々が咲き誇り、小さな神社などのある散策路などもあるほか、ハイキングのように楽しめるエリアまであります。
周辺には、桜島の絶景を楽しみながらの「桜島溶岩なぎさ公園足湯」や、イルカと遭遇できる時もある「桜島フェリー」、錦江湾を眺めながら入浴できる赤褐色温泉「桜島マグマ温泉」などさまざまな観光スポットがあります。ぜひゆっくりお時間をとって、鹿児島の魅力を満喫してください。
– 基本情報 –
仙巌園 (SENGAN – EN)
開園時間 9:00–17:00 (年中無休)
所在地:〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
電話番号:099-247-1551
表紙写真提供:鹿児島県観光連盟